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こんにちは、ゆうぴん(@yu_pin1984)です!
今回は新興国通貨建ての債券に投資する際の注意点を整理してみました。
「年利6%以上で、しかもそれが5年間も続く投資がある」
って聞いたらちょっと興味が湧きませんか?
証券会社のHPを見てみると外貨建て債券、その中でも新興国通貨建てのものにはそういった商品が多数あります。
ブル夫
と実際に投資を行ってみる前に、注意点をしっかり理解しておきましょう。
SBI証券で現在お取り扱いがある債券の一例としては次のようなものがあります。
- 南アフリカランド建債券
- 利率 年6.67%(税引前) 5.314%(税引後)
- 期間 約5年
- 申込単位 5,000南アフリカランド以上
- 発行体格付 Aa3(Moody’s)/ A+(S&P)
なんと利率が6.67%もあります。
ネット銀行にお金を預けても
・普通預金で0.001%
・定期預金で0.02%
しか利息はつきません。(住信SBIネット銀行)
はっきり言って銀行に預けてお金を増やすなんて不可能です。
それに対して6.67%の利率ってすごくないですか?
発行体の格付もAa3とかA+となっているので何だか安全そうな印象を受けます。
ではこのような高金利の新興国通貨建て債券に投資する際の注意点にはどういったものがあるのか、確認していきましょう。
外貨建ての債券を取引する上で最も注意しなければならないのは為替手数料です。
為替手数料のことを為替スプレッドと言います。
例えばSBI証券の場合、南アフリカランド(以下、南アランド)の為替スプレッドは0.30円となっています。
ブル夫
と思ってはいけません。
為替スプレッドとは1通貨あたりの手数料になりますので、今回の場合は1南アランドあたりの手数料ということです。
現在、1南アランドは7.19円です。
これに0.30円の為替スプレッドがかかるので、円から1南アランドに交換するためには7.49円が必要ということになります。
これが米ドルの場合ですと為替スプレッドは0.25円です。
ここだけ見ると南アランドとそれほど変わらないような気になります。
しかし1ドル110円とするとそれに対して0.25円なので手数料の割合は0.22%です。
それに対して南アランドの場合は7.19円に対して0.3円なので手数料の割合は約4%です。
割合で見てみることで、南アランドの手数料の高さがよく分かります。
先ほど例に挙げた債券の場合、申込単位が5,000南アランドとなっていますので通貨本体と為替手数料を分けると次のようになります。
- 通貨本体 5,000×7.19円=35,950円
- 為替手数料 5,000×0.30円=1,500円
つまり約36,000円分の為替取引をするために、1,500円も手数料を支払うことになるのです。
先ほどご紹介した為替手数料は円から外貨(+0.30円)、外貨から円(-0.30円)に交換する度にかかります。
外貨建ての債券の場合、大きく3パターンに分けて為替手数料が発生します。
3パターンとは・・・
- 債券購入時
- 利金の受取り時
- 満期時または売却時
債券投資は売買手数料がかからないから、手数料のことを気にする必要がないと思ったら大間違いです。
外貨建債券の場合は為替手数料でしっかり手数料が取られているのです。
では次に手数料を踏まえると利回りはどうなるのかということを確認してみましょう。
前提条件として為替レートは1南アランド=7.19円とし、変動はないものとします。
[購入時]
5,000×7.49円(7.13円+0.30円)=37,450円
[利金受取り時]
5,000×5.314%×5年=1,328.5南アランド
1,328.5×6.83円(7.13円-0.30円)=9,073円
※利金には20.315%の源泉税がかかるため、税引後の利回りは5.314%になります。
[満期時]
5,000×6.83円=34,150円
[トータルリターン]
34,150円+9,073円-37,450=5,773円
[為替手数料と税金を反映した年利]
5,773円÷5年=1,154.6円
1,154.6円÷37,450円×100=3.08%
為替手数料と税金を踏まえると年利は約3%になりました。
税引前の利回りが6.67%ですから半分以下です。
最初、非常に魅力的に見えた利回りですが、よくよく計算するとそこまで高いわけじゃないということが分かりました。
それでも・・・
ブル夫
とお考えのあなたは次の注意点をチェックしましょう。
先ほどは為替レートは固定で計算していましたが、実際には為替レートは日々変動するものです。
そこで南アランドの為替の動きを見てみましょう。
下のチャートは2003年からの南アランド/円の為替チャートです。
チャートを見てみるとこまかく上下に変動しつつも、大きな流れとしては下落傾向にあるということが分かります。
以前は1南アランド17.5円前後ぐらいだったのが現在は7.13円です。
つまりここ十数年で南アランドの通貨としての価値が半分以下になってしまったということです。
小難しい話は割愛しますが高金利通貨の価値は下落すると言われています。
ベア次郎
と思われる方もいるかもしれません。
そこで参考までに高金利通貨として取り上げられることが多いトルコリラとメキシコペソの為替チャートも見てみましょう。
まずはトルコリラ円のチャートです。
トルコリラの場合、10年前は1トルコリラ60円ぐらいだったのが現在は19円と3分の1に下落しています。
続いてメキシコペソ円のチャートです。
メキシコペソの場合、15年前は1メキシコペソ10円前後ぐらいだったのが現在は5.5円ぐらいです。
こちらもやはり長いスパンで見ると下落傾向にあることが分かります。
これらの通貨が今後も下落傾向が続くかは分かりません。
しかし、これまでの傾向を踏まえ、ある程度は想定しておくことが大切だと考えます。
・通貨の価値が下落傾向にある
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